数えられない手
朝を裂いたモーター音があわく残った雪のうえをすべっていった子どもたちのことを考えていたひりつく影の
ひりついた街路にはまぼろしばかり歩き回るなかから桜のひとひらを呼んでいた声があって消えて
さむい
さむい時代は過ぎてもなおさむいままの春を指折りながら恨むしかないのか
春は名のみの風のさむさや名のみの平等や名ばかりをふりはらう運動の肩をつかまえてじっとさせるまでの時間を計測してもすべっていった
それぞれの子どもたちよりほかに思うことがなく