海へ
 
 
  
束ねていた紐や包装ばかり残して
あとかたもなく
 
ふさわしくないどんな色もありえたから
ひらきかけるでも
くずれはてたでもなく
 
咲かないでいる
沈黙
それも
 
散り分かれていくのだ
よろこびとおそれとあるいはすべてに
硬い冬も
生きるもののある限り拍動は止まない
聴けよおまえの波と浜のすきまに両腕が
肺ではなくただ空を抱いても
きつくしたのは
消えないように
では
ないのか