静物
 
 
別の色をとろうとして
 
落ちた水滴に
けむりが逆立った
 
ひろがった反対の季節の
これが空
だった
 
底まで満ち
また別の色をとるたびに
濁っていった
夏は
遠く
 
換えの水はあっても
生き延びる保証はなかった
花瓶には花を描いた
水には絵を
描いていた