九月、たくしあげるように
 
 
 
水面を穿いたあなたの裾からのぞく足先
うつりこむ鏡
眼球をのぞくと
砂浜にあなたがたくさん打ち上げられていた
 
あなたのすきなたばこに火をつけてそこらじゅうに突きたてた
スカートはひるがえり
受け手の名を思い出せないうちに
供物は洗われた
 
運ばれていくもの
運ぶもの
風のなかのこなごなに砕かれた風の記憶
 
なだれてゆく群影
やわらかにうねる襞
砂をすくうあなたの手のひらの運命線上のあなた