取り落とした手
花束をもらった手のひらで包んでしまえたグラスに挿した机の上に置いていた
折った指を次には立てた日はこぼれた名前を知らない花ばかりだったので調べようとした電話はかかりつづけ
玄関の前に影がのびてしばらくしていなくなる
花はこぼれた指をまた折ったいくつもの太陽が手のひらから落ちて外れたままの受話器
白いものがすこし生えたそれをくずかごの底へ置いたひとはほんとうの名前を知られないまま順番にそれぞれが並べられた
それはいつ終わったのかわからなかったひとは見つめていた底に横たわったあいだ話し中の受話器