だが雨どいはずっと空であった


養蜂家は一斉に手を離した
 つつしみ深く
それはまた僕へと響く稜線であった
火焔の時刻であった
彼方に見える茂みが撓む それから

 水産加工場の裏手で親子がつれそう
 彼らの生は地上で 防波堤で
 そろいの手袋ほど軟らかいだろう

あなたの腰の先端でこおろぎの一匹が悲鳴いだ
だが何処で、なぜ
 やつれきった肌の縫い目は
いつも砂に乾いていたのか だがそうではなく
手渡された飴一粒が温帯では、摂氏9℃の
真剣であった