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「太陽(α)」



真昼のドリブルが天井に突き刺さる
パリ、歯ブラシ、午睡、手のひら、嘘、の
足裏で僕はタイミングを見失った
おしなべて色のついているものは皆一様にキカイじみている
ときに狂おしい性質
のタバコの煙
研ぎ澄まされたコールタールの匂い、と

αは言葉ではない
αは石の匂い
αはすべすべする
αは君達の手帳のなかに

てのひらで掴むとベッドの上で小鳥が死を体験する
まっすぐなシーツにもぐるネズミたちの影ふるえふえる詩人のかみの毛を結ぶ切り立った崖の
うえでローソクの延長の先っぽで尖る
てのひらでつかんだらさかなの嫌な匂いがした鞄のなかですえた森の匂いがした紙いちま い束ねた焦げた茶色の匂いがした脅迫観念的ラブ惨劇の匂いがあたりいちめんにたち込め た

水よりももっと浅い場所で揮発性の呻きで体内から呼び戻される思い出のおう吐

少年α
少年の胸α
少年の胸を金属的にえぐるα
少年の胸を金属的にえぐる街α
少年の胸を金属的にえぐる街の角と角α
少年の胸を金属的にえぐる街の角と角に染み込むα
少年の胸を金属的にえぐる街の角と角に染み込むガーゼα
少年の胸を金属的にえぐる街の角と角に染み込むガーゼの匂いはα!

つぎはぎ定型の裂け目から抜け落ちる白っぽい眩暈した
真っ赤なブラウスのなかで踊るフットボールジャズ
アンサンブルリップクリームもどきに胸ときめかせよ
球体の皮膚だらけカンバセーションごっこに首を吊れ
非現実曲面体で緊張の黒子は喉をぐびぐびならすのだα!