白い歌            原口昇平




花恨みつづりし窓に文字ふたつ霜に残るや逆さのくちづけ

夏に洗いジーンズのポケットへ忘れた詩濡れはしても破れることなく

日付降る消えゆく森にて朽葉拾う一枚ずつに歌の名前を

鳥を聞きまどろみ落とす洗面器ひとみのふれし新しきになく

白梅香未だ聞かずや時雨にて咳き込むたびに透きとおるかな


11/13 Dedicated to Y