遠い関係 原口昇平 「薄明るい小径は あるしろい一夏からの引用だ」 と お前の眼の水の森の 、へと続く ひとすじの 鳥 "私"(環、多、史...)の時-刻 よく冷めた しろぬきの風景の (あれは私の小径 だから 私は人知れず歩いていき あの川に静かに結ばれることもできる 静かすぎるほどに) 、たとえの路上からは ひとりの影が立ち去り そこへまた ひとりの影が終(しま)われ続ける ので もう飛ぶのは、やめたのだ と 「円い鳥の径には のどのやさしく砕けた透明がある」 お前の書いた "私"(羽、手、視、...)のことだから きっと いつもよりも 文字のわたされない日 何もかなしむことのない日 |