二月、かまくびに結ばれた   原口昇平

 
 
誰の声だろう この晴音のふる、
よくやせた春のくびに まだ
あきらかでない白の花あと
誰のしびれが聞こえるだろう

誰の手だろう 見知らぬ刃にかられ、
よく編まれた葉輪に もはや
さえぎられない肌のやわごと
誰の指が終えているだろう

ことわらい雪噛んだ足跡に
"こいしあやほどけよ"
野肌はいつ満たされるか

満たされるか 声に手に
"こいしあやほどけよ"
しもやけの深く咲き眠る花に