雨くぐもる 声するほうへ さすさすと 日のこぼれ 草摘みには耳よせて 折紙の水がけら 夜明けを渡る鳥どりが 色をなし 読みを綴る よどみにて 目をさえぎり 目を流れ 冷たい乳房は切りひらかれる 明けに死ぬ母むすう 渡るくぐりに声もなく のどの白さをたどたどしく 鳥 枯れて眠らぬよう 埋めて そのときに 埋めて 満ち出ることを唄からの 「さべらり」の果てに帰りきて 噛んで 忘れるまに ゆびの 機敏がない