サルデニア・トランス・ファー




      神様の首が転がってくる
      まだ青い頬を揺らしている
      そのために草叢は割れるほど凪いでいる


      シャベルの柄を握り締めた腕が
      頭髪のような葉を繁らせた森にいて
      冬のあいだに見えなくなったものたちを
      早速、埋めにかかろうとしている


      熟れすぎた林檎の目玉は落ちて
      あちこちの穴の中心から
      羽を生やした何かが顔を覗かせる
      ような音が聞こえてきたとして


      サルデニア
      道案内に描かれた帆船も
      真空に耐えられないようす


      欠ける途中で気付いてしまった月は
      ほっそりと爪先を燃やしながら
      この暗い森の水面で
      透明な血を吐いているかもしれないのに