負の日 負の眠りの日 さわぐ指を刈れ 刈られる指を集めて歩く虫 さわぐ目が なにかを思うとしても (見ることを忘れてしまえば) 深い井戸のふちに座ったまま 腹を上にして泳ぐ魚 を感じることができる その腹の裂け目を覗きこむ しらじらと ひくい場所へ流れていくのは それだけの水の群れ のように それとなく殺戮する空に よみがえる 無数の声をむかえて 傷口を洗えずにいる (見ることを忘れてしまえば) さしのべる 腕のない風の 痛い首さすり 色を塗られた鳥を放してやる 群れて あとから流れはじめる 目のない 虫は 焼いて食え