訳者名:原口昇平(連絡先
最終更新日:2016年4月17日  ※引用の際 典拠、訳者名、URL、最終更新日を必ず明記


Eugenio Montale (1896-1981)
da Ossi di seppia, 1925.


 
Portami il girasole ch'io lo trapianti
nel mio terreno bruciato dal salino,
e mostri tutto il giorno agli azzurri specchianti
del cielo l'ansieta del suo volto giallino.

Tendono alla chiarità le cose oscure,
si esauriscono i corpi in un fluire
di tinte: queste in musiche. Svanire
e dunque la ventura delle venture.

Portami tu la pianta che conduce
dove sorgono bionde trasparenze
e vapora la vita quale essenza;
portami il girasole impazzito di luce.
エウジェーニオ・モンターレ (1896-1981) 
『烏賊の骨』(1925)から



ひまわりをとってきてくれ。おれはそいつを
潮風にやられたおれの荒野に植え替えて、
切々と待ち望む淡黄色のその表情を
天空の青く物見高いやつらに一日中見せてやる。

隠されていたものは白日にさらされ、
すべての肉体は崩れ去ってさまざまな色調を帯びた
ひとつの流れとなる。音楽のなかにあるのはこれだ。滅びは
だからあらゆる冒険のなかの最大の冒険だ。

とってきてくれ。その植物こそが指し示してくれるのだ
透き通って黄金に輝くものがあふれだし
生が香水のように蒸発する場所を。
光に狂ったひまわりをとってきてくれ。