カーテン
 
 
 
(ぬれたような)

夕色に
とかされた
肩の
かすかな緩みを
ほどけないように
静かに結ぶことだ
聞こえないのは
空
泡のようにして
ゆっくり浮いているから
その円さを
ゆびで撫でてみたりもする

赤信号のなかに
たたずむ人の輪郭をなぞる
鎖骨の近くにほくろがある
もう判らないけれど
くだらない雑誌が
路上
どこからかこぼれたようにして

まぶたは
見えなくなるためにあるものだから

秒針が縫ったものに
水紋をつくってしまい
また
指先から
とけていくしびれ
(つなぎとめるための言葉)