縛られた手



切れた唇からにじみはじめていたいまこぼれ落ちたたべものではない果実ではないのにまだ

かたく

口語にはためらい傷がある子音ばかりがただ祈るように雪のなかへ歩きかけるこのつめたくねじれた身体の解放されない街の影には言葉はない言葉は

白い言葉は白い椅子へ白い国家と白い炎が赤い縄目に白いナイフも

白く

見出された時間につながれたまま