LEFT
 
 
あとさきには いない
ゆうべのスカートは裂かれ
それでも
食卓に並んでしまう右手と
両手の影
支えているかのように
見えない水を呼ぶベランダ
おどりはじめた
数を
ひたしていく
左へ

眼に濁りがあって
青空に穴があく
(きつすぎるあそこへ
 何を埋めるか)
ぼくのこどもの青
こどもの
じだいの青
(ひろがりのある点を
 入れたのは誰か)

空には
たいがい
ジーパンだ

のこされた
左
物干し竿の向こうへ
五線をひいてもいい
どのイトがスカートだったとか
どのスカートが70年代だったとか
もう わからない
数えすぎたのは
数えられるからで
罪はない
九月に死んだ人
一月に死んだ人
ぼくの三月に
恋人